課題:ドライバー不足と配送コストの上昇
従業員50名規模の中小物流会社A社。2024年問題(時間外労働の上限規制)を目前に、深刻な課題を抱えていました。
- ドライバー1人あたりの配送件数:1日平均35件
- 空車率:走行距離の約28%が空車
- 配車計画:ベテラン配車担当者1名が毎朝2時間かけて手動作成
- 月間の燃料費:約480万円
- 配送遅延率:月平均4.2%
特に配車計画が属人化していた。 担当者が休むと、翌日の配送が混乱する状態でした。
解決策:3つのAI導入ステップ
ステップ1:配送ルートの最適化(導入1ヶ月目)
まず取り組んだのが、AIによる配送ルートの自動最適化です。
| 項目 | Before | After |
|---|---|---|
| ルート作成時間 | 2時間/日 | 15分/日 |
| 平均走行距離 | 182km/日 | 156km/日 |
| 空車率 | 28% | 18% |
Google OR-ToolsベースのルートオプティマイザーをAPIとして構築し、既存の配車システムと連携させました。導入コストは初期費用80万円、月額12万円。
ステップ2:需要予測の導入(導入3ヶ月目)
過去3年分の配送データ(約12万件)を学習させ、エリアごとの荷量を予測するモデルを構築しました。
- 予測精度:85%(導入初月)→ 92%(3ヶ月後)
- 車両の過不足が減り、傭車(外部委託)費用が月40万円削減
- 繁忙期の人員配置を2週間前に計画できるように
ステップ3:顧客対応のチャットボット化(導入5ヶ月目)
「荷物はいつ届きますか」という電話問い合わせが1日平均60件。これをチャットボットで自動対応しました。
- 問い合わせの70%をチャットボットが自動回答
- 事務スタッフの電話対応時間:1日3時間 → 50分
- 顧客満足度は低下なし(導入前後でNPS変動なし)
成果:配送コスト20%削減の内訳
導入から6ヶ月後の数字です。
| 削減項目 | 月間削減額 |
|---|---|
| 燃料費(ルート最適化) | 72万円 |
| 傭車費(需要予測) | 40万円 |
| 人件費(配車自動化+問い合わせ対応) | 35万円 |
| 合計 | 147万円/月 |
月間コスト約720万円に対して147万円の削減。削減率は20.4% でした。
導入で失敗しやすいポイント
A社も最初から順調だったわけではありません。
- データの整備に想定以上の時間がかかった:過去の配送データがExcelと紙の混在。データクレンジングに2ヶ月。
- 現場の抵抗:「AIの指示通りに走れない」というドライバーの声。1ヶ月間はAI提案と従来ルートの並走期間を設けた。
- 過度な期待:「AIを入れれば全部解決する」という経営層の期待値コントロールが必要だった。
CAiOがお手伝いできること
物流業界のAI導入は、ツール選定よりも「現場のデータ整備」と「運用設計」が成否を分けます。
CAiOでは、御社の配送データを分析し、AIで改善できるポイントの優先順位をつけるところからサポートしています。まずは現状の数字を一緒に見るところから始めませんか。